変更料金・キャンセル(払戻)料金の仕組み

 

別項で予約の変更・キャンセルの方法を取り上げた。こちらでは、予約の変更料・キャンセル料金の仕組みについて紹介したい。

まず初めに高速バスには運営する会社の業態によって、高速乗合バスと高速ツアーバスの2種類があり、それぞれで変更料・キャンセル料金の仕組みが大きく異なっていることを覚えておいてほしい。また、変更できる内容については、各社でそれぞれに設定がされているので、個別に確認が必要である。

高速乗合バスは路線バス会社が運行するもの、高速ツアーバスは旅行会社が主催し貸し切りバス会社に委託して運行しているものである。そして高速乗合バスは利用者との間に「運送契約」を結んでおり、高速ツアーバスは「旅行契約」を結んでいる。

従って、高速乗合バスの変更・キャンセル料金は路線バスのルール、高速ツアーバスは旅行会社のルールがベースになっている。

それでは、具体的に見ていこう。

<高速乗合バスの変更・キャンセル料金の仕組み>

・予約変更料金

高速乗合バスの予約変更は「バス会社窓口での変更は1回まで」「インターネットサイトでクレジット決済した予約変更をインターネットサイトで行う場合は3回まで」『手数料無料』というところが多い。(ただしインターネットサイトでの変更は出発予定時刻の2時間前まで。)手数料無料の回数を超えて変更を行いたいという場合は、いったん取り消して払い戻しの上、もう一度予約をし直す必要がある。その場合は払戻手数料が必要である。

・予約キャンセル(払戻)料金

予約をキャンセル(払戻)する場合の手数料は各社で(または路線によっても)設定が異なっているが1人(1件)あたり100円から数百円で一律の料金が設定されている場合が多い。ただし、同じバス会社であっても路線により設定が異なるケースもある。例えばJRバス関東では長距離路線では乗車日が近いキャンセル(例えば前日と当日など)については「乗車料金の20%」といったように乗車料金に応じて払戻料金が設定されているような場合もある。

また、路線バス会社が運営する高速乗合バスであっても、旅行会社に販売を委託している路線に関しては払戻の際に路線バス会社が設定する払戻料金に旅行会社の事務手数料が加算されるケースもある。

<高速ツアーバスの予約変更・キャンセル料金の仕組み>

・予約変更料金

乗車地・下車地などについては変更手数料が設定されていない場合が多い。また、変更が一切できない(キャンセルして再度予約する)という場合もある。

・予約のキャンセル料金

各社でさまざまに異なっており、さらに路線によってもさまざまに設定されているので、注意深く見る必要がある。

各社で共通しているのは、「利用日の○日前から○日前までは○%」というように設定されている点。まず無料でキャンセルできる期間があり、そこから利用日に近づくにつれ、キャンセル料金のパーセンテージが上がっていき、当日無連絡で利用しなかった場合は乗車料金の100%がキャンセル料金となるという点は各社で共通している。

ただし、無料期間が利用日の何日前までか、また段階的に20%、30%、40%…と上がっていくキャンセル料金の設定日数などは、それぞれに大きく違うので予約する際に注意して確認が必要だ。多いのは利用日の7日前から2日前までは30%、前日が40%、当日(連絡ありの場合)50%という設定だろうか。

ごくまれに利用日前日まで「キャンセル料金無料」という場合(高速バスツアー予約ネットのゼロ得。ネット予約でカード決済した場合は前日の午前中までキャンセル料無料。)や、当日でも連絡をしてあれば無料(WILLER TRAVELのリクナビバス(特割バス))といったケースもある。

ここまで説明したように、高速バスのキャンセル料は仕組みが複雑で各社の路線によってもさまざまに設定されているのがお分かりいただけるだろう。

予約する際は、その高速バスが高速乗合バスなのか高速ツアーバスなのか、キャンセル料金は一律設定なのか、段階的に上がっていく設定なのか、いつからキャンセル料金が発生するのかなど最低限確認しておくべきだろう。

また、予約を変更するつもりが、変更の手続きは出来ずに予約を取り直すことが必要となるケースも考えられる。思いがけないキャンセル料金を支払うことになる場合があるので、予約の前に十分に確認が必要である。