通常料金の仕組み
時に思いもよらない破格の格安料金を見かけることもある高速バス。こんなに安いのなら、ちょっと乗ってみようか・・・という方も多いだろう。
しかし、高速バスでは料金が多様化して選択肢も多い為、利用の際には知識も必要。こちらでは高速バスの通常料金についてまとめてみた。高速バスをさらにお得に利用するために活用してほしい。
◆高速バスの料金を見る際の注意点。
高速バスには「高速乗合バス」と「高速ツアーバス」がある。この両者では、運営方法が異なり、準拠する法律が異なっていることから、料金の設定にも違った特徴があるので注意したい。
<高速乗合バス>
JRバスや、各地の路線バス会社などが母体となって運行している高速バス。 これらの高速乗合バスでは、料金の設定や改定には国土交通省へ事前の届出と許可が必要になるため、料金の流動性は低い。
例えばJRバス関東の「ドリーム号」の料金を見てみると、翌月までの料金がほぼ固定されて明示されている。その中で、通常料金はA期間、B期間、C期間という3種類に分けて設定されており、大まかにいうと料金は「金曜日」「土・日曜日」「月曜日から木曜日」の順に安くなっていく。http://www.jrbuskanto.co.jp/timebook/index.html#page=148
期間のわけ方はバス会社により若干の違いがあり、西武観光バスのように4種類に色分けされている場合もある。こちらは「特別繁忙日(ゴールデンウィークなど)」「金曜日」「土・日曜日」「閑散日(月曜日から木曜日)」といった感じだろうか。http://www.seibubus.co.jp/kousoku/fukuoka/calendar.pdf
<高速ツアーバス>
旅行会社が企画し、運行を貸切バス会社に委託する形の高速ツアーバスでは、旅行業法に則って運営されているため、料金の設定は企画会社の判断で随時行うことができる。そのため、料金は非常に流動的である。
大まかにはゴールデンウィークなどの繁忙期には料金が一番高くなり、月曜日から木曜日が一番安く、土曜日曜日、金曜日と料金が段階的に高くなっていくという傾向は高速乗合バスと変わらない。
しかし、高速ツアーバスの場合は、上り便と下り便で金曜日よりも土・日曜日の料金が高かったり、また同じ日の上り路線でも発着時間によって料金の逆転が起きていたりすることもあり、個別の路線・便によってより細かく料金設定がされているのが大きな特徴である。
◆シートクラスによる料金設定の違い
こちらは高速乗合バス、高速ツアーバス共に共通でいえることであるが、まず一番スタンダードな4列シートを基準として、4列シートで前後の座席数を減らしたクラス、3列シート、3列独立、2列や個室感覚のシートなどの順に、「プライベート空間の広さ」や座席専用テレビ、リクライニングの最大角度、座席テレビ設置などの「車内設備の充実度」があがるほどに料金も高くなっている。
また、女性専用エリアシートを設定しているバスの場合でも、女性の追加料金などは基本的には掛からない。ただし、女性フロアに特別な設備を設置していたり、女性専用車のように、車両自体の機能や作りを変えてある場合は、必ずしも同路線のバスと料金が同額とは限らない。
◆まとめ
このように、利用日による料金の違いと、シートクラスによる料金の違いの二つが組み合わされて一つ一つの便の料金設定となっているので、料金のバリエーションは非常に多彩である。特に人気路線では、選択肢が多すぎてどれを選んで良いのか、迷ってしまう方も多いと思われる。
とにかく低価格を追求したいという方もいれば、乗り心地重視という方もいるだろう。実際、比較的高くても、乗り心地がよく、プライベート空間の広い高級シートが先に満席になるという路線もあるようだ。
また、高速ツアーバスでは価格の流動性が高いため、びっくりするほどのお得なシートが売れ出されることや、出発時間帯によってお得な料金設定がされていたりすることもあるのだが、それゆえに競争率も高い。こまめにHPをチェックしたり、ページの隅々まで確認するなどの努力も必要になるだろう。